SNSとは? — 定義・種類・アルゴリズム・KPI・運用まで
このページは「SNSの基礎から実務」までを一気に把握できる実用ガイドです。初心者が全体像を掴むのはもちろん、日々の運用や社内共有のリファレンスにも使えます。
SNSの定義(1分で)
要するに
SNSは人と人のつながりを軸に、投稿・DM・コミュニティで関係を深める場。ソーシャルメディアの中でも関係性設計が濃いタイプ。
なぜ今SNSか(要点)
検索行動の変化
若年層ほど「SNSで探す」。比較検討の一次情報がSNSに集まる。
トラスト形成
定期発信・UGC・返信対応が信頼残高を積み上げる。
費用対効果
当たりの企画は再利用できる。短尺→長尺→資料化の循環。
主要プラットフォーム(ざっくり比較)
PF | 使いどころ | 強み |
---|---|---|
世界観訴求/商品・採用 | 発見・リール。保存されやすい設計ができる | |
TikTok | 短期認知拡大/若年層 | レコメンド強。音源文化と相性 |
X(旧Twitter) | 話題化/サポート/B2B | 会話駆動・拡散性 |
YouTube | 学習・比較の資産化 | 検索流入・長期蓄積 |
※ 詳細仕様(比率・秒数・安全域)は別ページに掲載します。
3原則(ここだけは外さない)
① 関係性
保存・DM・コメント=濃い反応を設計。
② 鮮度×継続
続けられる頻度設計。品質と速度の両立。
③ 冒頭3秒
「つづきを見たい理由」を最初に置く。
基本KPI(まずはここだけ)
※ 業界・目的で基準は変動。診断レポートで自社基準を提示します。
次のアクション
主要プラットフォームの比較(概略)
プラットフォーム | 主な用途 | ユーザー傾向 | 強み | 主なコンテンツ |
---|---|---|---|---|
ブランディング、商品訴求、コミュニティ形成 | ビジュアル重視、購買前の調査で利用 | 発見タブ/リール、世界観訴求がしやすい | 写真、リール、ストーリーズ、ガイド | |
X(旧Twitter) | 速報/話題化、サポート、声の可視化 | ニュース・趣味文脈で拡散、B2Bも多い | 拡散性(RT/引用)、会話駆動 | テキスト、画像、短尺動画、スペース |
TikTok | 認知拡大、若年層リーチ、トレンド形成 | 短尺動画に慣れ、興味ベース視聴 | レコメンド性能、音源文化 | 縦長短尺動画、ライブ |
YouTube | 検索/学習、深い理解、資産化 | 幅広い年齢層、回遊/長尺視聴 | 検索流入、蓄積価値、収益化 | 長尺/短尺動画、ライブ、コミュニティ投稿 |
人材/採用、B2Bリード、ナレッジ共有 | ビジネス層、専門職 | 職務文脈での信頼性、個の発信 | 記事、投稿、ドキュメント、ライブ |
※ 地域/業界により人気や仕様は変動します。自社の顧客像から逆算して選定しましょう。
アルゴリズムの基本(共通の考え方)
① 関係性
ユーザーとアカウントの相互作用(フォロー、いいね、保存、DM、視聴完了など)が強いほど、表示優先度が高まりやすい。
② 鮮度と頻度
新しい投稿や継続的な発信は有利。無理のない投稿頻度を設計し、品質と継続性を両立する。
③ 価値のシグナル
保存・共有・コメント・滞在時間・視聴完了率などは「価値」の強いシグナル。ただの再生数より質の高い反応を狙う。
KPI・指標(式と使いどころ)
主なコンテンツ形式と設計ポイント
画像(カルーセル含む)
- 1枚目で結論/ベネフィットを明確に
- カルーセルは「分解→手順→まとめ」で保存されやすい
- 余白/文字サイズ/可読コントラスト
短尺動画(縦)
- 冒頭1〜3秒で「続きを見たい理由」
- カットテンポと字幕で無音環境も想定
- 1本=1メッセージ、余計な要素を削る
長尺動画 / ライブ
- 検索・学習文脈に強い(資産化)
- 章立て/目次、概要欄の整理
- 切り抜きで短尺へ再活用
Instagram / TikTok / YouTube 推奨比率・秒数(目安)
プラットフォーム | フォーマット | 推奨アスペクト比 | 推奨解像度 | 推奨尺(目安) | 制作メモ(UI安全域など) |
---|---|---|---|---|---|
リール | 9:16 | 1080×1920 | 10〜30秒(まずは15秒前後) | 上下左右≒6〜10%を安全域(UI/字幕)。冒頭1〜3秒のフック必須。 | |
フィード画像 | 4:5(推奨)/1:1 | 1080×1350/1080×1080 | — | カルーセルは「結論→分解→手順→まとめ」。文字は大きめ・余白多め。 | |
ストーリーズ | 9:16 | 1080×1920 | 1枚5〜7秒×3〜7枚 | スタンプ/リンク配置を想定して下部10%は情報量を抑える。 | |
TikTok | 短尺動画 | 9:16(横16:9は非推奨) | 1080×1920 | 8〜20秒(テンポ速め) | 字幕は中央よりやや下。音源選定とテンポ一致。ラストで保存/共有誘導。 |
YouTube | Shorts | 9:16 | 1080×1920 | 15〜45秒(<60秒) | 冒頭の問題提起→展開→オチを圧縮。縦UIの被りを避けて上下8%余白。 |
YouTube | 長尺(通常動画) | 16:9 | 1920×1080(4Kは余力で) | 解説3〜10分/レビュー12〜20分 | 章立て・タイムスタンプ・概要欄最適化。切り抜きでShorts再活用。 |
※ 上記はクリエイティブ制作の目安です。各プラットフォームの仕様・上限は変更されるため、最新の公式ヘルプも随時確認してください。
運用フロー(現場の型)
1. 目的と指標を固定
誰に何を達成させたいか(認知/比較/行動)を定義。KGI/KPIをボードに固定。
2. ペルソナ × シーン
生活/購買の具体的な場面と結びつける。ペイン/ジョブ/期待価値を1枚で。
3. コンテンツ企画
「FAQ解決・ビハインド・比較・ハウツー・事例・UGC促進」などフォーマット化。
4. 制作ワークフロー
台本→撮影/編集→字幕/サムネ→チェック→公開。テンプレ化で速度と品質を両立。
5. 配信・モデレーション
最適時間・ハッシュタグ・ピン留め。返信ガイド/NGワード/一次回答SLAを整備。
6. 計測・改善
週次レビューで「保存率・視聴完了率」を最優先にAB。月次は資産(再利用)を棚卸し。
ガイドライン・法令(日本での一般論)
Do(推奨)
- PR/広告は明確に表示(例: #PR 表記、関係性の開示)
- 著作権/肖像権/商標の確認・引用ルールの遵守
- 個人情報・センシティブ情報の取り扱いに注意
- ソーシャルメディアポリシーを社内/外部向けに整備
Don’t(避ける)
- ステルスマーケティング(広告である事実の秘匿)
- 誤情報/根拠のない断定、医療/効果効能の過大表現
- 差別的・攻撃的表現、炎上誘発の煽り
- 無断転載・無断使用、素材のライセンス違反
※ 業種によっては追加の規制(薬機法・景品表示法 等)が絡みます。自社基準と監修フローを準備しましょう。
炎上・トラブル対応の基本
一次対応
- 事実関係の即時確認(社内チャンネルを一本化)
- 該当投稿の公開/非公開は証跡保全後に判断
- テンプレ返信ではなく、状況に応じた誠実なトーン
再発防止
- チェックリストの更新(表現・権利・事実確認)
- 承認フローの明確化(誰が最終Goを出すか)
- 学びをナレッジ化し、次の企画へ反映
運用で使うツール(例)
制作
- 撮影/編集(スマホ・PC)テンプレの用意
- 字幕・サムネの統一ガイド
- ブランドアセット(ロゴ/色/フォント)
配信
- 予約投稿/一括管理
- ハッシュタグ/キーワード管理
- UGC収集・権利管理
分析
- プラットフォーム内インサイト
- 短尺/長尺の保存・完了率の追跡
- ダッシュボード(週次/月次)
用語集(ミニ)
UGC(ユーザー生成コンテンツ)
ユーザーが自発的に作成・投稿するコンテンツ。信頼性や親近感を生みやすい。
リーチ / インプレッション
リーチ=見た人の数(ユニーク)、インプレッション=表示回数。
エンゲージメント
いいね、コメント、保存、共有、クリック等の反応の総称。
アルゴリズム
各プラットフォームが投稿の表示順を決める仕組み。関係性・鮮度・価値シグナル等を考慮。
FAQ
投稿頻度はどれくらいが良い?
品質を落とさず継続できる頻度が最適。週2〜5本など、チームの実力に合わせて設定し、改善。
ハッシュタグは何個つける?
質が重要。検索/関連/独自タグを目的別に。毎回の使い回しではなく投稿に合わせて最適化。
フォロワーよりも先に見る数字は?
保存率・視聴完了率・シェア数。価値の強い反応が中長期の成長を生む。